導入
最近、心の底から「読んでよかった」と思える本に出会えていますか? 毎日が忙しく過ぎていく中で、ふと立ち止まって物事を深く考える時間、なかなか持てないですよね。私もそんな日々を送っていた一人です。お笑いコンビ「和牛」のファンで、特に川西賢志郎さんの言葉選びや独特の世界観が大好きだった私は、彼が初めてエッセイを出版すると知って、迷いはありませんでした。2025年3月5日の発売日に合わせて楽天ブックスで予約し、届くのを心待ちにしていたんです。
正直なところ、最初は「ファンだから」という気持ちが大きかったのですが、読み終えた今、その考えは完全に覆されました。結論から言うと、この本は単なるタレント本ではなく、私たちの日常に静かな光を灯してくれる、珠玉の言葉が詰まった一冊でした。予想をはるかに超える感動と、明日をもう少しだけ丁寧に生きてみようと思える勇気をもらえたんです。今回は、実際に読んで感じた熱量をそのままに、この本の魅力をお伝えします。
この商品について
今回ご紹介するのは、お笑いコンビ「和牛」の川西賢志郎さんによる初のエッセイ集『はじまりと おわりと はじまりと -まだ見ぬままになった弟子へー』です。私はいつも利用している楽天ブックスで、ポイントも使ってお得に購入しました。価格は1760円(税込)です。
この本は、川西さんが「まだ見ぬままになった弟子」へ向けて、自身の経験や思考、日常で感じたことを語りかけるという、非常にユニークな形式で綴られています。漫才師として、そして一人の人間として彼が何を考え、世界をどのように見ているのか。その繊細な眼差しが、美しい文章となって収められています。
実際に使ってみた感想
発売日当日、楽天ブックスから届いた包みを開けた瞬間、まずそのシンプルな装丁に惹かれました。派手さはないけれど、静かな存在感を放つカバーデザイン。手に取ると、紙の質感が心地よく、これから始まる読書体験への期待感を高めてくれます。
ページをめくり始めると、そこに広がっていたのは、まさに「川西賢志郎さんの声が聞こえる」ような文章でした。テレビで聞く、あの独特のリズムと優しいトーンが、文字を通して脳内で再生されるような感覚です。クスッと笑える軽やかなエピソードから、胸が締め付けられるような切ない話、そして物事の本質を突くような深い思索まで、テーマは多岐にわたります。
正直、読む前はもっとお笑いの裏話や芸人仲間とのエピソードが多いのかなと想像していました。しかし、それは良い意味で裏切られました。もちろん、芸人としての話もありますが、それ以上に描かれているのは、日常に潜む「はじまり」と「おわり」の瞬間を捉える、彼の哲学的な視点です。読んでいるうちに、私自身がその「まだ見ぬ弟子」になったような気持ちになり、一つひとつの言葉を大切に受け止めていることに気づきました。一気読みするのがもったいなくて、毎晩少しずつ、噛みしめるように読み進めたくなる。そんな特別な一冊でした。
良かったポイント3つ
この本を読んで特に「素晴らしい」と感じた点を3つに絞ってご紹介します。
ポイント1:心に染み渡る、美しい言葉の数々
漫才で培われた言葉選びのセンスが、このエッセイでも遺憾なく発揮されています。何気ない日常の一コマを切り取る表現が、とにかく巧みで美しい。「ああ、この情景をこんな言葉で表現できるのか」と、何度もハッとさせられました。比喩表現は秀逸で、まるで一篇の詩を読んでいるかのよう。読書中、心に響いたフレーズに付箋を貼っていたら、あっという間に付箋だらけになってしまいました。ただ面白いだけでなく、日本語の美しさや豊かさを再発見させてくれる、そんな力を持った文章です。
ポイント2:芸人・川西賢志郎の「核」に触れられる
なぜ彼は「和牛」として、あれほどまでに緻密で独創的な漫才を追求してきたのか。その根底にある哲学や美学、そして彼が大切にしている「芯」のようなものに、この本を通して触れることができます。それは、決して声高に主張されるものではなく、静かな文章の端々から滲み出てくる誠実さです。ファンであれば彼の人間性をより深く知ることができますし、そうでなくても、何かを創り出す仕事をしている人や、自分の仕事に真摯に向き合いたいと思っている人にとって、多くの気づきを与えてくれるはずです。
ポイント3:読後、世界が少しだけ違って見える
この本が持つ最大の魅力は、読んだ人の視点を少しだけ変えてくれるところかもしれません。読み終えた後、いつもの帰り道、電車の窓から見える景色、コンビニの店員さんとの短いやり取りといった、日常のありふれた風景が、なんだか少しだけ愛おしく、特別なものに思えてくるのです。物事の「はじまり」と「おわり」、そしてまた「はじまり」というサイクルを意識することで、「今、この瞬間」を大切にしようという気持ちが自然と湧いてきました。心をリセットし、明日への活力を与えてくれる一冊です。
注意点や改善してほしい点
素晴らしい本であることは間違いありませんが、正直なレビューとして、少し気になった点も挙げておきます。
注意点1:一気読みするには少し重いかも
一つひとつのエピソードに深い思索が込められているため、内容が非常に濃密です。そのため、小説のようにサクサクと一気に読み進めるというよりは、少しずつ時間をかけて味わう読み方が向いていると感じました。私は就寝前に1〜2編ずつ読むのが、内容をしっかり消化する上でちょうど良かったです。
注意点2:ビジュアル要素は控えめ
この本は、あくまで「文章」で勝負しています。そのため、川西さん本人の写真や可愛らしいイラストといったビジュアル要素はほとんどありません。タレント本によくあるような、華やかな誌面を期待していると、少し物足りなく感じるかもしれません。ただ、その分、読者の想像力を掻き立て、言葉の世界に没入できる作りになっているとも言えます。
どんな人におすすめか
この本は、以下のような方に特に響くのではないかと感じました。
- 和牛のファン、川西さんの言葉が好きな人
彼の思考の源泉に触れることができ、より一層ファンになること間違いなしです。テレビや舞台で感じる、あの独特の語り口や世界観が好きな人にはたまらない一冊です。 - 自分の仕事や人生に少し迷いを感じている人
著者の真摯な姿勢や物事の捉え方は、明日へのヒントを与えてくれます。特に、何かに行き詰まったり、心が疲れたりした時に読むと、静かに寄り添ってくれるはずです。 - 美しい日本語や文章表現に触れたい人
巧みな比喩やリズム感のある文章は、読み物として非常に質が高いです。純粋に「良い文章を読みたい」「言葉のシャワーを浴びたい」という文学好きな方にもおすすめです。
まとめ
『はじまりと おわりと はじまりと』は、単なるファンブックの枠を大きく超えた、一人の表現者の魂が込められた、深く、そして優しい一冊でした。笑いの中に潜む切なさ、日常に隠された輝き、そして人生の普遍的なテーマ。川西賢志郎というフィルターを通して見る世界は、こんなにも豊かで美しいのかと、何度も心を揺さぶられました。
この本は、きっとこの先何度も読み返すことになる、私の人生のバイブル的な一冊になったと確信しています。忙しい毎日の中で見失いがちな大切な何かを、そっと教えてくれるような本です。心に潤いが欲しいと感じているすべての人に、自信を持っておすすめします。
楽天で購入を検討している方は、ぜひチェックしてみてください!

