導入
「頑張れば報われる」「努力は裏切らない」――私たちは幼い頃から、そう教えられてきました。しかし、社会に出ると、どれだけ努力しても成果が出ない、不公平だと感じる場面に遭遇し、漠然としたモヤモヤを抱えることはありませんか?私自身も、自分の能力や努力が本当に正当に評価されているのか、疑問を感じることが多々ありました。そんな時、書店で目に留まったのがマイケル・サンデル氏の最新作『実力も運のうち 能力主義は正義か?』です。以前から彼の著作には興味があったものの、なかなか手に取る機会がなく、今回楽天ブックスで気軽に購入できると知り、迷わずポチりました。購入日は2021年12月10日、価格は2420円でした。読み終えてみての率直な感想は、「これは現代社会を生きるすべての人に読んでほしい一冊だ!」というものです。
この商品について
今回レビューする商品は、世界的ベストセラー『これからの「正義」の話をしよう』で知られるハーバード大学教授、マイケル・サンデル氏の著書『実力も運のうち 能力主義は正義か?』です。本書は、現代社会の根幹をなす「能力主義」という考え方が、いかに社会に分断と不満をもたらしているかを深く考察し、その問題提起と解決へのヒントを提示する一冊となっています。楽天ブックスにて2420円で購入しました。サンデル教授ならではの、多角的な視点と鋭い問いかけが詰まった、読み応えのある内容が特徴です。
実際に使ってみた感想
本が届いた日、ずっしりとした重みにまず驚きました。ページをめくると、難解な哲学書というよりは、現代社会に生きる私たちが直面する具体的な問題に寄り添いながら、分かりやすい言葉で議論が進んでいく印象を受けました。第一印象は「これは読み進められる!」という期待感。読み始めると、私の頭の中にあった漠然とした「モヤモヤ」が、サンデル教授の言葉によって一つ一つ言語化され、整理されていく感覚がありました。
特に印象的だったのは、単に能力主義を批判するだけでなく、その背景にある歴史や哲学的な思想まで掘り下げて解説されている点です。自分の努力が報われないのは、能力が足りないからだと自己責任論に陥りがちだった私にとって、この本はまさに目からウロコでした。期待していたのは、能力主義の具体的な問題点の指摘でしたが、実際に読んでみると、それ以上に社会全体の構造や価値観を問い直す壮大なスケールに圧倒されました。読み終わった後は、世界の見え方が少し変わったように感じられるほどの深い体験でした。
良かったポイント3つ
ポイント1:能力主義の「常識」を根本から問い直す視点
私たちは「努力すれば成功する」という能力主義の物語を信じていますが、本書はそれが生み出す弊害、特に勝者と敗者の分断を鋭く指摘します。私自身、この「常識」に囚われていたことに気づき、自分の価値観を根本から見つめ直すきっかけとなりました。成功が個人の努力だけで決まるわけではない、という認識は、社会に対する見方だけでなく、自分自身への向き合い方にも大きな変化をもたらしました。
ポイント2:具体的な事例が豊富で、議論が非常に分かりやすい
抽象的な議論に終始せず、アメリカの大学入試制度、コロナ禍でのエッセンシャルワーカーの評価、富裕層の免税措置など、身近な社会問題や具体的な事例を豊富に挙げて解説されています。これにより、難解に思える哲学的な問いも、私たちの現実と深く結びついて理解できます。読者は自分ごととして問題を捉え、サンデル教授の議論に没入できるため、スムーズに読み進めることができました。
ポイント3:自分のキャリアや社会との関わり方を再考するきっかけになる
本書は単なる社会批判にとどまらず、私たち一人ひとりが、いかにして「共通善」を追求し、分断された社会を修復していくべきかという問いを投げかけます。読み終えた後、自分の仕事や生き方が社会にどう貢献できるのか、他者との関係性をどう築くべきかなど、これからの人生を考える上で非常に重要なヒントを得られました。内省を深めたい人には特におすすめです。
注意点や改善してほしい点
本書は非常に読み応えがあるため、まとまった読書時間を確保することをおすすめします。通勤電車の中などで少しずつ読むのも良いですが、集中して読むことで、サンデル教授の議論の深さをより実感できるでしょう。また、哲学的な思考に慣れていない方にとっては、最初は少し難解に感じる部分があるかもしれません。しかし、読み進めるうちに必ず腑に落ちる瞬間が訪れるはずなので、諦めずに読み切ってほしいです。
どんな人におすすめか
- 努力しても報われないと感じている人におすすめ
努力と成功の関係性について新たな視点が得られ、自己肯定感を高めるきっかけになります。 - 現代社会の不公平感や格差に疑問を持っている人にぴったり
社会の構造的な問題を深く理解し、自身の意見を形成する助けとなるでしょう。 - 自分のキャリアや人生の価値観を見つめ直したい人
仕事の意味、成功とは何か、幸福とは何かといった根源的な問いに向き合えます。 - マイケル・サンデルの著書を読んだことがないが興味がある人
彼の思想に触れる入門書としても最適で、現代社会を読み解く力が身につきます。
まとめ
マイケル・サンデル氏の『実力も運のうち 能力主義は正義か?』は、私にとって単なる一冊の本ではなく、現代社会を生きる上での羅針盤のような存在となりました。能力主義がもたらす弊害を深く理解し、自分の価値観や社会への向き合い方を再考する貴重な機会を与えてくれたことに心から感謝しています。読み終えた後には、漠然とした不安が晴れ、より広い視野で物事を捉えられるようになったと感じています。間違いなく、この先も何度も読み返すことになるであろう名著です。楽天で購入を検討している方は、ぜひチェックしてみてください!

