導入
「このままでいいのだろうか?」漠然とそんな不安を感じていませんか?地球温暖化、経済格差、閉塞感漂う社会。ニュースを見るたびに、何かが根本的に間違っているような気がしていました。そんな中で出会ったのが、斎藤幸平さんの『人新世の「資本論」』です。友人から「これは必読!」と強く勧められ、2021年3月31日に楽天ブックスでポチッと購入。正直、「資本論」と聞いて尻込みする気持ちも少しはあったのですが、新書という手軽さと、話題の書であることに惹かれました。実際に読んでみた結果、私の世界観は根底から揺さぶられ、これまでの常識がひっくり返されるような衝撃と深い納得感を得ることができました。
この商品について
今回レビューするのは、集英社新書から出版されている斎藤幸平さんの著書、『人新世の「資本論」』です。価格は1122円と手に取りやすい価格で、私は2021年3月31日に楽天ブックスで購入しました。この本は、現代社会が直面する気候変動や格差問題といった危機を、カール・マルクスの思想を現代に再解釈することで、資本主義システムそのものの限界として捉え、その上で「脱成長コミュニズム」という新たな社会のあり方を提唱する一冊です。難解なマルクス経済学を、現代の視点から平易な言葉で解説している点が大きな特徴です。
実際に使ってみた感想
「本を使ってみた」という表現は少し奇妙かもしれませんが、この本はまさに私の思考を「使う」ためのツールでした。楽天ブックスから届いた時、新書ながらもずっしりとした重みに、内容の濃さを感じました。読み始める前は、正直「難しいかな…」という不安が大きかったのですが、いざ読み始めるとその読みやすさに驚かされました。専門用語が多用されているわけではなく、非常に丁寧に論理が展開されており、まるで隣で著者が語りかけてくれているかのよう。
特に印象的だったのは、これまでバラバラに感じていた環境問題、貧困、格差といった社会問題が、すべて資本主義という一つのシステムに起因しているという論理が、まるで一本の線で繋がるように理解できたことです。漠然とした不安が、具体的な構造として認識できるようになり、目から鱗が落ちるような感覚でした。期待をはるかに超え、単なる知識の吸収だけでなく、日々の生活やニュースの見方まで変えてくれる、そんな読書体験でした。
良かったポイント3つ
ポイント1:現代社会の根源的な問題を浮き彫りにする洞察力
この本を読んで最も良かったのは、私たちが直面している環境危機や経済格差が、資本主義の「暴走」ではなく、その本質的なメカニズムから必然的に生じていることを、非常に説得力のある形で示してくれた点です。個人の努力や技術革新だけでは解決できない、構造的な問題であることを明確にし、思考の深まりを感じました。
ポイント2:「脱成長コミュニズム」という具体的かつ希望のあるオルタナティブの提示
単なる批判で終わらず、ではどうすればいいのか、という問いに対して「脱成長コミュニズム」という具体的なビジョンを示している点が素晴らしいです。これは決して過去の共産主義の焼き直しではなく、現代の課題に即した新しい社会像であり、漠然とした未来への不安に対して、希望の光を与えてくれるような提案でした。
ポイント3:専門知識がなくても読める平易な言葉と構成
「資本論」というタイトルから想像するような難解さはなく、非常に読みやすく構成されています。マルクス経済学の知識がゼロだった私でも、すらすらと読み進めることができ、そのエッセンスを理解することができました。新書という形式も相まって、専門書に抵抗がある方にも自信を持っておすすめできる一冊です。
注意点や改善してほしい点
正直なところ、内容に関しては文句のつけようがないほど素晴らしいのですが、あえて挙げるとすれば、内容が非常に濃密なため、一度読んだだけではすべてを理解しきるのは難しいかもしれません。私も重要な箇所は何度も読み返しました。
また、これは新書という性質上難しいかもしれませんが、複雑な概念を説明する際に、もう少し図解やイラストが多くあれば、より視覚的に理解が深まったのではないかと感じました。特に「脱成長コミュニズム」の具体的なイメージを補完するような図があれば、さらに多くの読者に響くのではないでしょうか。
どんな人におすすめか
- 環境問題や社会格差に漠然とした不安を感じ、その根本原因を知りたい人におすすめです。
- 現在の資本主義システムに疑問を感じ、新しい社会のあり方を模索している人にぴったりです。
- マルクス経済学に興味はあるけれど、何から手をつけていいか分からず、入門書を探している人にも良いでしょう。
- 未来への希望を見出したい、具体的な行動のヒントを得たいと考えている人に特におすすめしたい一冊です。
まとめ
斎藤幸平さんの『人新世の「資本論」』は、私にとって現代社会を読み解く上で欠かせない羅針盤となりました。単なる学術書ではなく、私たちがこれからどう生きていくべきか、社会をどう変えていくべきか、という根源的な問いに対するヒントを与えてくれる、まさしく「必読」の一冊です。世界の見方が変わり、日々のニュースや出来事への理解が格段に深まりました。楽天ブックスで手軽に購入できるので、ぜひチェックしてみてください!

